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53歳、女性。右膝に痛みがあります。やや腫れもあります。腫れは、一日の中で引くこともあります。 膝の痛みは、しゃがみこみ、膝の屈曲時に膝の前に痛みが出ます。正座をするのも痛みますし、足首をベッドの外に出して正座をしてもらっても痛みます。 患者さんはベッドに片手をついて屈伸の動きをしてもらいます。私は患者さんの右斜め前に座り込んで足の甲のチェックをしました。 親指と人差し指の間(肝経)にも圧痛があり、これを押さえると若干膝の痛みが軽くなります。人差し指と中指の間(胃経)は、劇的に改善しました。胃経なのでF6の井穴刺絡をすると、全体に、なんだか良い感じです。 しかし、仰向けに寝て膝が伸ばせない、これは、膀胱経や腎経・膝の裏の筋肉が突っ張っているのか、または、胃経や脾経にコリがあってスネや太もも前面の筋肉を縮められないです。 F3F4井穴刺絡では、改善はありませんでしたので、やはり、胃経、脾経…胃経が最も当たりと考えられます。 「手術はないですか?」とたずねると、胃と胆のうの手術がありました。胃の手術は、みぞおちからおへそを回避した手術痕、これには、まったく圧痛はありませんでした。胆のうの手術は、腹腔鏡によるもので、1cmほどの傷があります。この傷の、右腹部のものに痛みがありました。これには、円皮針を貼りました。 膝を見るために、ズボンをあげてもらうと、すねの真ん中に幅8cmほどの傷が横に、子どものころに、植木鉢の割れたので切ったそうです。この傷の圧痛を調べると、前面に痛みがあります。これまた胃経。 患者さんは、眼精疲労がつらい、右目が開けられない、こめかみが痛いといわれます。これから交感神経が異常興奮して…膝の痛み、可能性は0ではないな、と、眼精疲労の針治療を行いましたが、右目の痛みは改善ありませんし、見え方にも改善はありません。眼精疲労ではなさそうです。 痛みがあるところを押さえて調べると、目じりの外側、胃経の頭維と下関の間です。これにも、円皮針を貼りました。
このように、中高年になると、「私は右側ばかり傷める」などという患者さんがいますが、これは、偶然であることは少ないようです。なるべくしてなっている、治療には、少し時間がかかりそうです。もちろん、患者さん自身の良いストレッチ…無理をしないヨガ教室をおすすめしました。 |
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