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          肩痛の患者さんの話から逸脱してすみませんでした。 患者さんの自律神経の状態によって、同じストレスでも出てくる反応が違ってくるのはわかっているつもりだったのですがダメですね。反省です。
  H5, 
            F5 の井穴刺絡に感謝の意を込めて症例報告させていただきます。
  最近、また H5,F5 
            適応症の五十肩の治療を経験しました。
  50代、女性、低血圧、アレルギー症状なし、家族にもいない。過去に具合 が悪くなったときの症状は、耳鳴り、立ちくらみ、のどのつまり、めまい、疲れやすい、冷え性など。H5,F5 
            の適応しそうな症状。
  1年半ほどまえに、右の五十肩になったけれど、これは6ヶ月ほどで自然治癒したそうで、痛みもそれほどでもなかったといいます。
  右肩が治ったころから左肩が痛みはじめ、「ああ、またか」という感じ、 右肩と同じように治るだろうと思っていたら今度のは、1日中疼きはじめ てとても肩を動かせない状態になってしまいました。特に起床時がひどく 「地獄のような痛み」という表現をしていました。この状態が半年程続いているということです。
  動作診では、肩の経絡テスト全方向で、肩の前面が痛みます。
  まず、三節先生がよく報告されている、陰陽交差法を試みました。 左大腸経の異常とみて、右脾経の三陰交に皮内針をすると、動作痛が 少し軽減しました。左の大腸経の合谷あたりの圧痛に皮内針をすると また少しいいようです。
  上記の反応から左手の、H1,H6 
            から井穴刺絡をはじめようかと思いましたが、低血圧ということだし、全方向の動きに痛みがあるので、右F5 
            から試みることにしました。
  右F5 
            の刺絡をはじめてしばらくすると「ああ〜、なんか気持ちがいいです」というので、ああこれは当りかなと思い、左のF5 
            も刺絡した後に、動作診をすると「大分痛みが楽です、さっきと大分違います」といいます。H5 
            の刺絡をするとまた、ちょっと楽だとのことです。 H5,F5 
            の線香灸を指導して、初診(10/13)は、これで様子をみることにしました。
  2診目(10/15)、「朝起床時はまだ痛むが、日中は疼かなくなった」 3診目(10/16)、「やっぱり、朝疼く」 
            左手のH1,H6,H4,H3 
            刺絡追加、直後効果少。                    
            頭部に刺鍼すると痛みが出現。もう一度H5,F5をする。 4診目(10/17)、「昨日あれから少し疼いたが、今朝の起床時の痛みはなんか半減している」 5診目(10/18)、「起床時の痛みがだいぶ減ってきた」、肩前面に皮内針を追加。刺絡はH5,F5 
            のみ。                   「いままで、動かさないようにしていたので、ここで腕がスッ上るので思わず笑ってしまう」 6診目(10/19)、「たぶん、朝の起床時の痛みはないはず」いままで痛くて固まって寝ていたのが、                    
            どうも寝ている間の無意識の動きがはげしくなったようだ。                    
            朝方ウトウトしていて大きく背伸びをして、痛くて目が覚める。                    
            日中はだいぶ、できる動作が増えてきた。 7診目(10/22)、「朝の痛みはない。ただ無意識に手を伸ばしたときにキヤッとする」                    
            可動性の改善をねらって、左H1,H6,H2,H3 を加える。 8診目(10/23)、「また、少し疼きが戻ったようだ」H5,F5 
            と局所の皮内針のみとする。 9診目(10/25)、「疼きはなかった」
  上記のように、疼痛、自発痛は日毎に改善しています。ただ、動作痛と可動性はよくはなっています が、今一つです。
  患者さんは6ヶ月の疼痛が良くなってきたことで、気持も楽になってきたという ことです。3診目の頭での針で、痛みが戻ってきたときは、焦りましたが、どう にかH5,F5のおかげで比較的いい経過をたどることができました。後は可動性の 改善を目標に治療していきたいと思っていますが余計な鍼をするとすぐ症状が 悪化するので匙加減が難しいです。 
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