浅見鐵男先生 はじめに | |||||
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私は、昭和15年(1940年)日本医科大学を卒業し、此の間中支方面の上海陸軍病院、蘇州陸軍病院等を勤務し、現在 当地(神奈川県横浜市)にて内科医院を開業しています。 学生時代、大学卒業間近の或る日、友人三人と共にお茶を飲みながら、将来医者になったらどのような医者になるかと言う話し 合いをしました。その時、友人二人は病気の予防が一番大切だと言っていました。 これについて、私は、予防より治療が更に重要だと言って論争しましたが、結論は出ませんでした。 とにかく治療第一主義は、私の医療に対してのモットーであり、中支・蘇州陸軍病院の伝染病主任をしていた頃、作戦があって 毎日毎日20〜30人のアメーバー赤痢患者が(現地の病人は省く)入院してきて、その日一日に半分死亡するのが続く状態 でした。先の主任のときは、アメーバー赤痢の死亡%は50%とのことでした。 その様な状況下で、私は治療に新しい方法を考えつき実行しました。結果は死亡率10%に迄下げました。この結果に対して 師団長より大いにほめられました。 井穴刺絡治療法を考え出したのも、日常の患者の治療が第一という考えのもとに、先天的に脳神経の働きにより病気が発生 すると言う結論により考え出した治療です。
U)井穴刺絡発見の動機(過程) 1970年頃、私にも肩こり(+)首こり(+)の症状がありました。当時、既に良導絡治療(電気針治療)を行っていました。 但し、自分自身の肩こりは針治療は行えませんので、従って治りませんでした。 東洋医学書を引っ張り出したところ、井穴刺絡にて治るということを見つけました。以後、自分自身の肩こりは勿論、患者の 肩こりに井穴刺絡を行いました。その治療効果に見るべきものがあったのです。 1973年4月22日 たまたま、肩こりの患者が来たとき、井穴刺絡左右H5を行う。肩こりが治る。同時に患者曰く「今朝から、ジンマシンで全身 が痒くて困っていたのが、今の先生の治療で痒みがほとんど取れた」という言葉を聞き、頭にヒラメキがおきた。 すなわち、ジンマシンは、副交感神経により発生する病気で、それが左右H5で治るのは、左右H5には自律神経(副交感 神経)緊張を抑制する作用があるのではないかと考えました。 其の副交感神経異状により起こる病気に、左右H5を用いると、面白いように病気が治ることに気付いたのです。 1973年10月17日 左右H6に交感神経抑制作用のあることを発見しました。其の時以来、数年かけて、自律神経と井穴刺絡との関係を発見 することができました。 井穴刺絡の刺激が、自律神経作用のあることが判ることにより、病気を治療することができるようになりました。同時に 病気の本質は大半以上、自律神経異状緊張によると言うこともわかり、其の結果、井穴刺絡治療法が殆ど完成されたのです。 井穴刺絡治療とゴムバンド実験 アルコール性肝炎の患者に右F2井穴刺絡を行うと、患部の圧迫感が取れ、又、圧痛感までとることができます。 この治療中、患者右足関節部分をゴムバンドで強く締め付けてみます。その後、前記の如く、右F2井穴刺絡を行うと、 患部の圧痛及び腫脹感がとれない事実を見ました。 このとき患者が、患部圧迫をしていると圧痛はとれません。右F2井穴刺絡を何回行っても肝痛はとれません。 其のとき、患者が瞬間的にゴムバンドを外すと、とたんに患者は「あー、先生痛みがとれました」と言いました。 この臨床実験から、右F2の刺激が肝の交感神経緊張を抑制したことが判りました。右F2井穴刺絡により肝痛はとれるが、 その他の井穴刺絡ではとれないことが判りました。 ★私の著書「21世紀の医学」井穴刺絡学の表紙の人物について説明します。 実は、其の人物は、フランスの医学者と同時に科学者であるルイ・パスツールです。なぜパスツールの人物像を表紙に 揚げたかというと、私が大学生の時、偶然にパスツールの伝記「科学者への道」という映画を見て強い感動を受け、以後 パスツールの信者になってしまったのです。其の映画を思い出して表紙に用いたのです。 私は今までフランスへ5回行っています。其の間2回ほどパスツール研究所を訪れてパスツールのブロンズ像の前で記念写真 を撮りました。この写真を撮ってくれた先生はDr,Ph,Grimondと言う先生(60才)で、この先生にもお世話かけました。後日、 小生の井穴刺絡学と箱根木工細工を送ってあげました。 とにくか医者になったら予防でなく治すことが医者の使命だと固く私の頭の中へ叩き込んだのはパスツールの伝記を 見てからです。 V)井穴刺絡の将来について 人体の生理学的構造が、千年万年経っても普遍ならば、井穴刺絡治療は永久的に用いることができる治療であり、医療界 の大半を支えるものと信じています。其のためにも井穴刺絡学を更に完璧な学問にすべきと考えています。 其の現状を造るのは、今後の若い先生方の力に由ると信じています。 頑張って下さい。 |
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副交感神経の異常興奮による症状 | |||||
■H5F5井穴刺絡適応症(アレルギー誘因参照) 副交感神経の興奮状態には下記のアレルギー症状を代表とする様々な疾患があります。 @鼻水・鼻つまり→くしゃみ・・・ホコリっぽい、クーラーの部屋や車、犬や猫などの動物がいる 部屋に入った、朝の冷たい空気に触れたときなどに、鼻がムズムズ鼻水ジュルジュル、鼻がつ まり、ついに「ハクション!」となるのはアレルギーです。 A花粉症・・・様々な花粉が鼻や目などに付いてアレルギー反応を起こしています。 Bジンマシン・・・食べ物が合わない、消化能力がないなどで反応します。 Cアトピー性皮膚炎・・・皮下(肌肉)のアレルギー。軟らかい皮膚の部分に出ます。 薬を塗って「ステロイド皮膚症」にしてしまうと治りにくい。初期治療が重要! D喘息・・・肺のアレルギー。中高年で発病は、体質とストレスの影響。 E低血圧・・・アレルギーは低血圧。低血圧がアレルギー? Fめまい・・・内耳のアレルギー。頭を左右に振るとフラフラ。 G耳鳴り・・・血圧を測定して低ければアレルギー性の耳鳴り。 H立ちくらみ・・・血圧も低く、めまいもあり、脳貧血を起こしやすい。 I乗り物酔い・・・車や船に酔うのは内耳の関連、緊張感がたりない。 J耳のつまり・・・空気の調節=耳抜きができない。 K朝起きがつらい・疲労感・・・アレルギーの人は宵張りの朝寝坊、午前中は身体が重い。 L動作がにぶい・・・体が重く競争に弱く、勉強や仕事ができない。 M微熱が続く・・・風邪や体調不良のとき、微熱があるのはアレルギー性のもの。 N生理痛・・・子宮に分泌されるアセチルコリン(副交感神経刺激)により痛みが出る。 O結膜炎・・・目が痒くなる、赤くなる。 Pまぶたの痒み・・・飲み過ぎ食べ過ぎ。かぶれ。アトピー。腫れもあります。 Q唇の脹れ・・・甘いものを食べた、山芋などのかぶれやすいもの、アトピー。 R陰部の痒み・・・砂糖や脂っこいものを食べた後、陰部が痒くなります。 S耳の痒み・・・耳かきを頻繁にする。●鼻、脇、肛門の痒みもアレルギー。 偏頭痛・頭重感・・・お釜をかぶったようなうっとうしさ、鈍痛、スッキリしない、 頭の横後ろが痛い。頭がボーっとする、これらはアレルギーの頭の症状です。 バネ指・・・指を曲げ伸ばしにピョンとはねる、音がする関節のアレルギー。 四十肩・・・肩の関節の滑膜や粘膜のアレルギー? リュウマチ・・・関節のアレルギー、特に朝の動きが悪くなります。 むくみ・・・足、膝、まぶた、顔、指などが浮腫んだり曲げにくくなったりします。 しもやけ・・・副交感神経興奮で体液の鬱滞がおこったための血流障害。 下痢・潰瘍・・・迷走神経(副交感神経)の興奮で内臓が働きすぎた状態。 嘔気・嘔吐・・・排泄の反応は副交感神経で起こる。お酒飲み過ぎの嘔吐も 帯状疱疹・水疱瘡・口唇ヘルペス・・・H5F5の井穴刺絡で痛みや痒みが改善、その後の水疱も出なくなる。 |
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■アレルギーについて稲舛茂俊 | |||||
浅見鐵男先生の井穴刺絡学によれば、アレルギーの原因は、副交感神経が興奮しやすい体質であり、これは、先祖代々、 脳の遺伝で受け継がれているそうですそのため、アレルギーの症状は家族歴があり、夫婦にはないが親子に出ています。 アレルゲンを探したり、食べ物の除去をしたりするのは、アレルギーを引き起こす二次的な引き金になっている 「誘因の回避」なのです。誘因の除去も必要ですが副交感神経の興奮状態を沈静させなければよくなりません。 @原因への治療 手足の薬指H5F5井穴刺絡をして副交感神経を抑える 昼間は身体を充分に動かす仕事や運動をする 早寝早起きで心身のリズムを整える など A副交感神経の興奮が強くなる誘因を遠ざける 1,甘いものを食べたない、食べ過ぎをしない。口の中に入れて甘いと感じると副交感神経は反応。 白砂糖、黒砂糖、蜂蜜、三温糖、果糖、果物、水あめ、甘酒など食べるとアレルギーの症状が強く出ます。 2,油脂食品を含んだものを控える。肉、脂のきつい魚、植物油、特に時間がたって酸化したものは危険。 3,お酒は副交感神経を興奮させます。極端に飲みすぎると交感神経が今度は異常に興奮! 4,通常アレルギーを頻発させる食品は食べないように。(卵、乳製品、菓子類など) 5,間食。おやつ。飲み物もチョコチョコ口に入れていると副交感神経が興奮。 6,動物・犬・猫・鳥・ハムスターなどがいると症状が悪化します。 7,ぬるい風呂、ぬるい足湯、長湯はアレルギーの人はダメです。 8,着過ぎで身体を温め過ぎはダメです。特に子どもは一枚少なく、身体を動かすとアレルギーは改善します。 9,ホコリ、ダニ、人ごみなどの空気の汚れで排泄反応・副交感神経がひどく働きます。。 10,車や暖房の排気ガス、炭酸ガスも副交感神経が異常興奮します。(ビール、炭酸飲料、入浴剤) 11,忙しさや心身の緊張状態から開放された後、その反動から副交感神経が異常興奮することが多いです。 12,布団に入って寝ようかというときにアレルギーの症状が出ます。昼=交感神経 夜=副交感神経が働きます。 13,煙草のニコチンは副交感神経を興奮させる。 14,低気圧(梅雨・夏)、季節の変わり目は副交感神経が働きます。雨降り。多湿。山へ登って気圧が下がったときも副交感神経が興奮。 15,薬物(農薬、食品添加物など体から排除しようとして副交感神経は働く)。化粧品。洗剤。食品添加物。金属アレルギー。 |
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●誰でもできる「井穴刺絡」 | |||||
東洋医学の治療の中に、少量の出血をさせることで治療効果をあげる「瀉血法」があります。捻挫や鞭打ち症、痛めた関節 などの患部を直接出血させる方法や脳卒中や胃痛、膵炎などのでそれらの関係経絡の胸腹部のツボ(募穴)から瀉血(水疱 治療)する方法もあります。 これらの瀉血法の中で、最も神秘的で、劇的な効果をあげることができるのが「井穴刺絡」です。爪の角のはえぎわには、 経絡の終始点である「井穴 せいけつ」が配属され、このツボを刺激、特に瀉血することによって遠隔地の症状を改善することが できます。 井穴刺絡では、自律神経系(内科疾患、アレルギーなど)や体性神経系(外科、整形外科の疾患)が治ります。平たく言えば、 胃腸、肝臓、腎臓、肺、心臓などの 内臓の病気と痛い、痺れる、動きが悪いなどの運動器疾患の治療ができるのです。 浅見先生によれば最初の1週間は毎日治療、2週間目は2日に1度、3週間目は3日に1度、後は症状が出たときに治療する ように指示されています。 毎日治療にこれない方には、治療する指を指示して、患者さんが自分で治療することもできます。後々のことを考えると、こちらの ほうが実利があると思います。 |
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●まるで「マジック!?」「魔法!?」 | |||||
患部を触らずに、指先を治療することによって、肩こり、腰痛、目の痛みや違和感、頭痛、膝の痛み、腹痛、 アレルギー疾患、五十肩etcを治すことができるのです今まであちらこちら治療院をまわってきた(患部ばかり 治療していた)患者さんにとって、具合の悪いところは触らずに良くなってしまう井穴刺絡は、説明されても 「不思議???な治療法」です。 これは、特別な勉強を何年もやったからできたわけではなく、指示されたところに同じようにやれば、誰でも、 まったく同じ効果が出せる(再現性ある)治療法です。 浅見先生は「井穴刺絡は再現性があり、科学的である、誰がやっても同じ」と言われていますが、例えば、東京の先生が やったら成功したけど、福岡の先生が やったら失敗したとすれば、それは、技術の問題(上手下手)で、器用な大工の棟梁や板長が上手なのと同じで 「科学的」な問題ではないのです。 井穴刺絡は総てではありませんが、治らなくて困っている患者さんの多くを楽にすることができる治療法です。 お金もかからず(1回50円)、悪い副作用もない(ついでに他のも治る)、患者自身でも治せます。(他人に頼らなくても良い。) しかし欠点もあります。それは、「金銭的に儲からない」のです。 治療家⇒早く治るので治療費が少ない。薬品会社⇒売れるのは消毒用アルコール。医療器械の 会社⇒注射針やランセット1個30円。得をするのは、楽になった患者と善良な治療者です。これでは広がらない。 こんなすばらしい井穴刺絡療法は、みんなで後世に残していかなければ、どこかで廃れてしまうことになりかねません。 私も微力ではありますが、浅見鐵男先生の意思を受けて、皆さんと井穴刺絡を発展させていきたいと思っております。 |
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指は関節を開くように |
出血量は、最低でもこのくらいは必要 |
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出にくい肝径F2も足湯をするとこんなに出ます。 |
30回合計で綿花は真っ赤。モデルは私自身です。 |
福岡井穴刺絡研究会 〒812-0029 福岡市博多区古門戸町5-18 電話092-281-1566 FAX092-281-1570 活繩w社 |